大工道具・刃物の資料

新潟市の鉋

新潟市の鉋


昔、日本人はほとんどの人が下駄を履いていました。私も高校生の頃、学校に行く時は、歯の高い足駄(アシダ)を履いて通っていました。
下駄を作る職人さんが全国におられましたが、特に新潟市の鉋が人気で、国内の広い範囲の職人さんに使われていたそうです。
こごては、新潟市の名工の作品を掲載致します。

何時頃からでしょうか、イギリスで大砲の内径を削る刃物として使われていたものが、鋼の廃材として新潟港に入って来たそうです。新潟市の職人さんが、全てではないかも知れませんが、その鋼を使って鉋や刃物を作っていたそうです。

「清廣」
清廣は新潟市の刃物鍛冶としては歴史のある工房です。
調べた資料では、昭和22年当時、何代目かは解りませんが、長谷川冶作という方がご当主で77歳だったそうです。
清廣銘の下に「ホンアラタメ」と刻印がありますが、これは、文字の如く(気持ちを)本当に改めて作った、という意味だそうです。

写真をクリックすると拡大します。
1、清廣・ホンアラタメ寸六
火花試験では青紙系です。

2、清廣・ホンアラタメ寸八
火花試験では青紙系です。

「清正」
この清正については、詳細不明です。
只、ホンアラタメが縦文字で横になっていますが、右からの読みになっているので、時代が上がる作品かも知れません。

1、清正・ホンアラタメ二寸

2、清正寸八
ホンアラタメの刻印がありません。火花試験では白紙系です。

「祐廣」
新潟の印はありませんが、ホンアラタメ銘があり、書体は違いますが廣を使った銘なので清廣系の職人さんではないかと思います。

祐廣ホンアラタメ寸八


「宗則」
宗則は刀工銘では昭秀を名乗られた長島平次郎さんの鉋銘です。清廣門の江川民蔵という方が清宗を名乗られ、その門だったことから宗則を名乗られたようです。
三条の鍛冶の名門、岩崎重義さんが刀工になる時に作刀の指導をされ方です。

1、宗則寸八
火花試験では青紙系です。

2、宗則寸八
火花試験では青紙系です。

3、宗則寸八
火花試験では青紙系です。

「坂井刃物」
中央に新潟とあり、左下に市内の地名、沼垂芳原町の刻印があります。系統は不明です。

坂井刃物寸八


「兼晴」
下に新潟市 蒲原とあります。系統は不明です。

兼晴寸八
火花試験では白紙系です。

「政廣」
中央に新潟とあり、左下に市内の地名、沼垂芳原町の刻印があります。系統は不明です。

政廣二寸
火花試験では白紙系です。

余話
確かなことではありませんが、鋼が白紙系の作品の中にはイギリスから輸入材が入る前の作品があるかも知れません。


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